merry go round

文章を書くのはあまり得意ではありません

Part timeな関係

某大晦日高視聴率歌番組に今年も担当様(ポなんとかさん)が出演しない事実に悲しみを抱いています。

あの年に一度の大舞台でTHE DAYもしくはLiARもしくは真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせを歌っていただきたかった。

今年も元旦配達に間に合うことのなかった年賀状をピロピロと書きながら今年最後の彼らの姿をこの目に収めたかった。

暖かいこたつに肩まで入りつつ、アウトロで「今年はカープが優勝しました!来年こそ日本一!」などと曲に全く関係のない事を叫ぶであろう岡野昭仁を拝みたかった。そしてそれを横目で見ながら「何言ってんだこいつ」的な顔をしている新藤晴一に鼻息を荒くしつつそのまま年越しCDTVでほろ酔いになってしまったおふたりが司会のエグのザイル的なお兄さんに今年はどういう年にしたいですかと尋ねられ「普段は仲悪いですが今年は仲良くしていきたいと思います」などとぬかすさまを見ていたかった。

今日はAAAだったんですよね。とても行きたかった。今年最後の生ポルノチャンス(エロくない)(いやちょっとはエロい)だったのに…ここ5年間は毎年なんらかの形でライヴ遠征していたというに…寂しさと切なさと糸井重里

いや、~と~と糸井重里とかいう若干古いネタを今更言ってる場合じゃないんですよ。

ききました?ニューシングル。LiAR/真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ。

私はね、嬉しいですよ。こんなにハイペースにここまでハイクオリティで濃い楽曲を放出してくれることが。

今年ももう1か月で終わるで~とかいう冗談も恐ろしいですけども、もう気づけばリリースから一カ月が経とうとしている事実のほうがよっぽど恐ろしい。何が恐ろしいってこんなに素晴らしいシングルを出したのに、

世間様が全然気づいてくれてない!!!!

タモリステーションというのはやっぱり偉大な番組なのですね…若干今回地上波露出が少なかったので(これからじわじわ出るみたいでありがたいです)スーパーライブでもぜひ今作の演奏をお願いしますアミューズ様。私には何ができますか。株ですか。株を買えばいいですか。お歳暮送ればいいですか。とらやの羊羹差し込むか。

表題曲二曲のすばらしさは周知頂いてるかと思うのですが私と致しましては、c/wの「parttime love affair」、こいつがとんでもねえ爆弾でありました。こういっては言葉汚いのはわかっておりますが、クッッッソ良い。

「やだよ」の三文字をあんなにも年下の男の子感と切なさを含ませ声だけで甘く表現できる42ちゃいの男性いませんよ。

そして何より、LiARでも改めて実感させられた「新藤晴一の描く美しいフィクション」の世界が存分に発揮されすぎている。

毎度のことながら彼の歌詞は、しっかりと場面を連想させる土台にMugenの解釈の余地を混ぜてこねて絶妙なヒントをエッセンスとして加えてレンジで6分600ワットです。(?)

たった5分弱の中で歌われる言葉だけで、聴き手の数だけ物語を生み出させる新藤プロ。今回も多数のご意見を生んでおりましたね・・。

以下、個人的見解

タイトルにあるように「Part time」=限られた時間しか一緒にいられない相手との「love affair」=情事、浮気という意味も。

love affairなんて危ない香りのするタイトルでありながら、歌われているのは「恋愛対象として見てもらえない」主人公の切実すぎる恋心。ハイ、憎い!新藤晴一ニクいよ!!!こんなの胸にきゅんと来るにきまってるじゃないですか。

音としてもトランペットなんか使って、いかにも東京って匂いのするBarに似合いそうな大人なサウンド。新しいんだけどもどことなく懐かしい香りがするアレンジなんですよね。聴いてると肘をついてアンニュイなため息を吐きたくなるような。

そして主人公が恋をするのは、きっと年上の、既に婚約者のいる相手のように私には思えるんですわ。結婚してる相手でも意味は通るけども、それにしては相手と「あいつ」の関係がアダルティでアツいイメージ。車を降りてすぐ電話をかけたり、ワイングラスを交し合うオシャレな相手と考えると、夫婦というより婚約者のほうがイメージに近いかなと。

一貫して登場し続ける「車」というモチーフから、この主人公はアッシー君なのでは?とも考えたね…

恋愛に発展することがないのを知りながらただひたすらに送迎だけを続けるアッシー君。もうね、懐かしみあるよねこの単語だけでね。年齢がね、バレるね。

まあアッシーまではないにしても、相手と「あいつ」の中で自分の存在を「ワインの話題」として共有されている、つまり恋愛対象としての警戒すらされていないことを知った上で、それでもあなたとの関わりを持っていたいと、「Part time」だけの存在になることを選んだ主人公。限られた時間の中だけで逢瀬を重ねる関係。

そもそもこの二人の関係、『君』の主導権の上で成り立っているよね。「『君』が許してくれた関係」でしかいられない僕。

「電話をかけちゃやだよ」の懇願、「間抜けな(僕の)まなざし」、なんかから、年下感が感じられてつらい。

「Make me dream again」もいい味出してる。

君に決まった相手がいると知る前の僕が見ていた夢を、もう一度見させてほしい、と、「Make me dream again」。

ひとこと聞かせて欲しいのは、君の言う「Make me dream again」。私には相手がいるけど、もう一度あなたと夢が見たくなったわ、という言葉。同じ英文で二度美味しい。グリコか。

そしてこの主人公は、相手の気持ちがこちらに決して向くことがないことを痛いほどわかっているんだなあ。

サビ前の歌詞、

「僕らのルールを忘れてさ 『帰したくない』そう言えば」

こう来たらこの流れ、こう続けることもできると思うんだ…

 「君は微笑んでくれるかな」もしくは「君はどんな顔をするだろう」

こんな風に、そこに期待を含む展開もありえたはずなのに、新藤晴一ときたら、

「困った顔で笑うのかな 『指切りをしたでしょ?最初の日に』」

アーーーーー。もうだめだ。望みがなさすぎる。相手の返事なんてわかりきってるんだろうな。むり新藤晴一最高。

だからこそ、「もっと早くに出会えていたら」という思いは「つまらない」ものだし、

「仄かな期待が見せる黄金の幻」は泣けてくるんでしょう…可哀想この子。誰か抱きしめてあげて!!!

それから、歌詞カードを見ると目につくのが「W」の文字。

こうやってさ、CDを買って歌詞カードを読まないとわからない仕掛けっていいよね。

「W」の文字だけが活字ではなく手書き風に刷られているんですよ。

フロントガラスに主人公が指で書くWhy?の生々しさが増してる感じがしてたまらない。

この一曲を通して歌われる「Why?」という言葉。

降りしきる雨の中、車内に残された主人公の切実な「Why?」が増えていく描写は必見であります。

もういいから歌詞カード見て。買って。頼むから。私には伝えきれないから(突然の放棄)

「増えていくW」という表現、もしかしたらWhy?だけじゃなく、When?Where?Who?What?いろいろな「W」をのせているのかな。

いつ誰と何処にいて何をしてるの?そんなことも僕には知る由がないんだ、って。

余談ですが、新藤プロは曲先で、仮歌詞をのせて曲を作るのですが、この「Why?」は仮歌詞の時点で出てきていた模様。「作曲家の俺が、作詞家の俺に、これ(この歌詞)は残せ!使え!」としきりに言ってきたそうな(つべ生配信参照)。超ナイス、作曲家の新藤。

今回、手書き「W」だけじゃなく、歌詞カードにだいぶ凝ってるくせにしょうもない(褒めてる)大きな仕掛けを作ってくれたの本当にうれしかった!!詳しくはシングル初回盤をお買い求めの上ご参照ください!!

そしてラストのほうの歌詞もまた、語りつくせない魅力が詰まりにつまっているんですわ。

気になったのは、「君はそうか Wのマーメイド」という部分。

ここどうしてもわからないんだけど、マーメイドの話を考えれば、マーメイドなのはどちらかと言うと主人公自身なのよね。

恋した相手である王子の為に、声と引き換えに人間の足を手に入れた人魚姫だったが、他の娘と結婚することになった王子を声を出せないが故に止められず、相手を殺せば自分が助かったものを、ついに王子を殺せず、代償として自分は海の泡となって消えてしまった、というのが(超絶ザックリな)人魚姫のお話。

ここになぞらえるならば、婚約の決まってしまった相手を無理やり引き留めることもできず、Wの海底に沈んでいったのは主人公のほう。泡となって消えた人魚姫のように「泡のようにはじけてくWhy?」を量産するわけです。

2番ではWhy?のせりふが「声にできず消えて」いっているし。

まあ、普通に考えれば失意の中Wの海底に沈んで行ってしまった主人公の周りを、翻弄しながら華麗に泳ぐイメージとしての「マーメイド」なんでしょう。ただその裏側にはサブリミナル的に本当の人魚姫のお話が隠されてるかもしれないね。

マーメイドの「M」をひっくり返せば「W」になってしまうもの。

とここまで考えて、さすがにこれは考えすぎだよなって反省しました。

ただ、考えすぎなところまで考えさせてくれるのが新藤晴一の歌詞なんだよ!!!わかる!?!わかる!?!?血!!!(ex千尋

あの毎度のことながらまとまりはないんですが、とにかく皆様、

現在好評発売中のポルノグラフィティのニューシングル「LiAR/真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」をお買い求め頂きご堪能ください!!!!表題曲もカップリングも最高です!!!!